イベント2022/10/3
寝袋のファスナーが閉じない時の修理方法
寝袋のファスナーが閉じない時の修理方法
寝袋のファスナーのスライダーを上げても下げても、ジッパー(エレメント)が嚙み合わない。
このような場合はご自分ですぐに修理ができるかもしれません。ここではチェックポイントと簡単な修理方法を紹介します。
上部スライダーを上げてもエレメントが閉じない
イスカ寝袋はYKK製ファスナーを使用しています。エレメントはビスロン(樹脂製)ファスナーや金属製ファスナーより柔軟性に優れたコイルファスナーを使用しています。
不具合はエレメントの欠けや破損が原因となっているケースもありますが、スライダー胴体の異常に起因している場合が多く見受けられます。
スライダー各部名称です。(本体・引手・テープ溝)
画像のファスナーはYKK逆開コイルファスナーです。上からも下からも上げ下げ可能です。上部スライダーはノンロック、下部スライダーはオートマチックロック仕様となっています。
ノンロックはエレメントを左右方向(広げる方向)に力が加わるとスライダーが動きエレメントが開きます。オートマチックロックは引手を引き下げた場合のみ開きます、エレメントを左右方向(広げる方向)に力が加わってもロック機能によりエレメントは開きません。
チェックポイント
スライダーを端まで移動させ、左右エレメントを分離させてスライダー胴体側面のテープ溝を確認します。
不具合の多くは異物の噛みこみなどが原因でテープ溝の一部が広がり歪んでいるケースが多く見受けられます。
溝が広がっていないか、歪んでいないかどうかを確認してください。
画像のファスナーでは上側ノンロックスライダー肩口のテープ溝が広がって歪んでいるのが分かります。
下側のオートマチックロックスライダーに溝の広がり・歪みは確認出来ません。
スライダー胴体側面のテープ溝をチェック
対処方法
テープ溝の溝幅が広がっているとスライダー胴体が上下に動いても左右エレメントが嚙み合わずに、閉まらない・開きっぱなしになってしまいます。この隙間を均一に整える=元に戻すとエレメントが
噛みあい閉まります。
先の長いペンチを利用してテープ溝の幅が一定になるよう慎重に少しずつカシメて下さい。このときカシメすぎ、力を加え過ぎるとテープ溝が狭くなりエレメントをがっちりと挟み込んでスライダーが動かなくなります。少しずつ上下にスライド可能か確認しながらエレメントが閉じる(噛みあう)ポイントまで調整してください。
ペンチ先を布で保護すると傷がつきにくいです。
いかがでしょうか、お手持ちの商品でファスナーが閉じない場合に是非試して見てください。
原因がテープ溝の広がり・歪みの場合は効果を期待できます。画像ファスナーの様に左右エレメントが分離しない止製品の場合は、テープ溝を真横から確認することが出来ないので、スライダーの外観に破損が認めらず、エレメントが閉じない場合にだけ少しずつカシメながら試してみて下さい。